シネマ三昧 2

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「The ショートフィルムズ」
もうひとつが朝日の社屋完成記念に合わせて作られた今秋封切られる映画で新しくできた朝日放送のABCホールで鑑賞、建物は建築中からずっと見てきていて入るのを楽しににしてきた、まっさらなホールはどこもかしこもまっさらでトイレなどは汚れ一つ無い真っ白でありました

ホールは多目的に設計されていて可動式の座席のため、座り心地は最近のシネコンと比較するとかなり痛い、予告編が始まって少々がっかりしたのはホールの命でもある音が良くない、私は音響の専門家ではないが音が割れ特に高音などは聞きづらいのだ、お芝居などはあまり影響を受けないかもしれないが音楽のライブではこれではちと辛いのでは

客席数が300、フェス(他にサンケイ、毎日)を始め大阪では大きなホールがどんどん無くなっている、文化予算削除とまさに文化の不毛の地へまっしぐらなのでしょうか

シネマ三昧 2_b0057679_8262737.jpg子供をテーマに5人の監督が参加、92分だから一人18分15秒、タイトルやクレジットを抜くと本編17分と言ったところか
「展望台」大阪映画の多い阪本順治監督、佐藤浩市主演で通天閣から飛び降り自殺をするつもりの中年の男と、親に置き去りにされた小学生の朝までの話、題材は悲壮なのだが映画は面白い、大人よりしっかりしている子供が生き生きとしていて、ラストに迎えに来た母親に「泣くな!」と怒るシーンは非常に印象的である

「イエスタデイワンスモア」大森一樹監督の時代劇、母親思いの子供が母親のめし屋を手伝う話なのだが、母親役の高岡早紀が今もみずみずしく美しい、確かな女優であることを再確認、これもラストが感動もので子供の人生の選択がよろしい

「TO THE FUTURE」始まった瞬間にこれは井筒監督と判るような作品で強烈である、はっちゃかめっちゃかの光石研演ずる小学校教師が絶品で笑わせてくれる、屈折した小学生と先生との駆け引きが面白いがラストシーンのネズミ相手のイタズラはかなりのブラックである、タイトルは自衛隊の応募ポスターの「明日は君たちが主役だ」から引っ張ったらしい

「タガタメ」あのフラガールを作った李相日監督の作品、これだけが少々暗い作品なのだが宮藤官九郎演ずる死に神がひょうきんで和ませてくれるのだが、藤竜也演ずる末期ガンで余命3ヶ月と宣告された男と、川屋せっちん演ずる知的障害の39歳の息子との人間関係は強烈で色々と考えさせられる映画でありました

「ダイコン・ダイニングテーブルのコンテンポラリー」崔洋一監督の豪華キャスト映画、何処にでもある下町の家族の日常会話だけなのだが、樹木希林の母と小泉今日子の娘の会話が絶妙でたまりません、みんな好き勝手なことを言い噛み合わないのだが・・・気になったのは学生運動に没頭したと言う定年を迎えた父親の細野春臣の台詞がとても運動していたと思えないほど軟弱なのだが、映画としては上物であります

ショートムービーでも内容的には長編と同じでインパクトがある、さすが今の日本を代表とする映画監督で良くできている、ただ折角の短編映画なのだからもっと世の中に対峙するようなお話が1本ぐらい合っても良さそうに思ったのだが、残念ながらこれが今の日本映画の現状でほとんど身近な私小説的テーマ止まりだったのが少々残念でもありました
by PUSH-PULL | 2008-07-22 08:34 | カルチャー | Trackback | Comments(0)

珍しく我が家のマイマイが甘えに来た、正式名は「シャー・アズナブール・マイマイ」と申します


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