チャリでジュンク堂へ向かう途中に懐かしい石膏像に出会った、梅田にあるデザイン学校で何故か道に面して保管されている
左からバルテノンのヴィナス(ラボルト)、アグリッパ、カラカラ帝、ブルータス、どれも非常にメジャーな石膏像で美術を目指した人なら一度はお目にかかったことがあるだろう、聞くところによるといまだに石膏デッサンが美術学校の入学試験に採用されているとか
あの頃は何の疑問も持たずに石膏デッサンの勉強をしたが今から思うと不思議な感じがする、訓練されたデッサン力は選別の目安にはなるが本来的な美術とは無縁のような気がする、先日の新聞のコラムで大学入試の現代文学の設問が余りにも本来の文学とは無縁で、文学を深読みするタイプには不向きで概略の把握と簡略化能力だけで判断されているとか
私たちの時代は兎にも角にも石膏デッサン、他にも水彩だの立体だの受験科目があるのだが、お江戸の芸大などは受かる目安が石膏デッサン100枚と言うとんでもない数字だった、私は工業高校だったので美術の授業が無く進路を変更したときあわてて街の石膏デッサンできるところやクロッキー(素描)を描くところに通ったぐらいだ、
入学試験であてがわれたのは写真の右端のブルータス像、この石膏像は問題で左側を向いているため像を中心に扇形にイーゼルを立てたとき、抽選で場所が決まるのだが左に当たってしまうと像の後の頭を描く羽目になる、私は丁度右30度ぐらいの描きやすい位置だったので事なきを得た
デッサンを始める前に食パンのぶつ切りが手渡される、木炭は普通の消しゴムで消すとえらいことになり画面は真っ黒になってしまう、片手で軽く食パンの白い部分を練りながら消しゴムとして使うわけだが、何故か私は妙にお腹が減り耳(スライスしてないからヘタ?)を食べながらデッサンをしていた、入学してから同じ部屋にいた人から私がずっと食パンを食べていて気になって仕方がなかったと言われて知った(笑)
石膏デッサンの面白いところは人の作品をなんの問題もなく見学できるので自分の実力が直ぐに把握できる、つまり人の答案用紙を見ても大丈夫と言うわけである、部屋にいたのは14,5人だったと思うが私より明らかにデッサンの上手いのが2人いた、受かるのが5人で他の部屋にも同じく受験生がいるわけでデッサンが終わったときかなり問題だと思った、無事入学式出かけると私より上手かった二人の姿が見えなかったのだ、つまり学科で足切りされた訳でこれは美術コースとしては非常に問題
石膏デッサンは練習すれば誰でもある程度は上手くなるのだが、それで絵が必ず上手くなるわけではないところが非常に問題なのである、そう言えばテレビドラマの「ハチミツとクローバー」に出てくる石膏デッサンはどれも非常に上手かった
住んでますが、石膏像なんてつまんない
ですよねえ。どうせなら美しい裸体に
すればいいのに。。。\(^o^)/
スケッチだったら身の回りのモノを描くだけで凄く上達します、鉛筆から水彩へ
石膏デッサンはあくまでも正確な描写と濃淡による立体感の把握につきます、これがなかなかどうして手強いのだ