大阪百銭湯物語 三十一話 睡眠浴(後編)

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湯船
さて、昨日は無くなっていたカギが戻ってきた話を書いたが風呂屋さんはカギを新調していない、考えられるのはあのおっちゃんが持って帰っていたことになる、つまりマイ脱衣箱「55」

気づかなかったのは銭湯でおっちゃんに遭遇しても脱衣場で会わない限り55のカギの存在は判らないわけだ、そう言えばおっちゃんが持っていたカギだけゴムの色が違っていたし番号札が付いていなかったのだ

おっちゃんが何故印象深いかというと今日の絵の姿勢で私が風呂に入ってから出るまでず〜っと座っているのを何度も見たことがあるからだ(私の銭湯所要時間は30〜40分)、多分2〜3時間は睡眠浴を満喫しているのでは、聞くところによると周りの人が心配して声を掛けるとおっちゃんは「わしゃ〜寝とらん」と主張するらしい、湯船の中やスチームバスではさすがに入っている時間は少し短いがそれでも私より遙かに長い

これはレム睡眠状態で骨格筋は弛緩状態で脳は覚醒状態と言うことになる、しかし調べてみたらレム睡眠は寝入ってから1時間以上必要なのでレム睡眠説はもろくも消え去った

もう一つ印象深いのは座っている時も歩いている時も一物を隠そうともせずタオルもなしでウロウロしているので見たくもないものが目に飛び込んでくるからである

寝る理由はどうも来る途中にある酒屋の立ち飲みで1杯?いやしこたま呑んできているらしいのだ、足取りがほんの少しおぼつかないのだが年令かアルコールか判りづらいレベル、ご機嫌な時は路上でも仮眠状態に突入する、凄かったのは丁度工事中だった酒屋さんのすぐ前のマンションの仮設の塀にもたれしとしと降る雨のシャワーを浴びていた姿である、どんな時も横にはならず今日と同じ座った姿勢を保っている

番台のおばちゃんの話によると一度は夜遅く銭湯が閉まってもまだ寝ていて、なかなか起きず警察を呼んで帰って貰ったことがあるぐらいの豪傑なのである

豪傑と言っては見たものの小柄で細く下腹だけが思いっきり出ていて見た目は健康そうに見えない体型である、一度は見慣れぬおっちゃんが入ってきて番台でタオルを借りている(マイ銭湯は無料)、サウナで一緒になり話しかけられたのだが、この人は立ち飲みで睡眠浴のおっちゃんとたまたま出会い(初対面)話が盛り上がり勢いで誘われ銭湯まで連れてこられてらしい

肝心のおっちゃんは風呂場に入るなり例の場所で例のスタイルで前をはだけ、連れ合いを無視し完全に睡眠浴状態になっていました

後日談だがそれ以後「55」は番号札なしで脱衣箱に他と違う色のゴムでぶら下がっています

自分のHPに大阪百銭湯物語を始めたのだが途中で断念、プロバイダーもずっと前に解約したのにまだ残っていたのには驚いた、一〜二十四話まではHPの大阪百銭湯物語で見ることが出来ます
Commented by 白髯 at 2008-02-15 14:43 x
細線で描かれた銭湯物語 楽しいですね。しかしそれ以上に「楽学」の凛々しいこと。
Commented by PUSH-PULL at 2008-02-17 10:26
銭湯話も書き始めたらすぐに7話も書いてしまいました(笑)
HPの時のういういしさが無いのが少し寂しいですが、あったらあったでこれまた気持ち悪い
先日本屋の写真のコーナーを眺めたらなんと猫の写真集の多いこと!それもアラーキーとかプロのおっちゃんカメラマンまで出していて少々驚きです
by PUSH-PULL | 2008-02-15 09:31 | 私事 | Comments(2)

公園ののららちゃん 良い顔してます


by PUSH-PULL