朝から自転車で映画を見に行くことにしていたのだが雨で延期、日曜の朝は朝から天気が思わしくなかったのだが9時を過ぎたとたんそれまでの天候が嘘のように太陽がまぶしいばかりに登場、あわててチャリで映画館までとんでいった
梅田の直ぐ横にあるスカイビルの映画館ガーデンシネマまでのんびり走らせても10分そこそこでたどり着く、映画は朝10時と夜の9時なのでどうしても行くのが休日になってしまうのだ、自転車で出かける映画観賞ってなんだか良いのだ
アニメーションの5本立てと言っても東映の漫画祭りではない、見たのは山村浩二作品で短いのは3分で一番長い田舎医者でも21分、全部あわせてても52分だったのだ
私は「カフカ」の文字を見たり聞いたりするとこめかみがチリチリし始め原因を直ぐに探し出すのだ、原因は若い頃にフランツ・カフカの「変身」という小説にどっぷりはまっていたことがあるからで忘れてしまっていたのに、直ぐに反応してしまった
カフカは若くして結核にかかり41歳で亡くなっている、出版された本も「変身」を含め僅か6冊、アニメの題材になった短編の「田舎医者」は読んだ記憶が定かではないのだが映画を見たら直ぐに読みたくなった
「変身」は不条理の塊のようなお話だったがアニメの「カフカ田舎医者」も強烈である、荒っぽい線画のアニメーションなのだが、押さえられたカラーと言い独特のぼかし、どうして作られれたか判らない流体じみたマチェール、そして画面に漂う雪や埃やフォーカスのかかった添景、まさにそこには山村ワールドが満載なのだ
しかし漫画と言っても原作がカフカだけにかなり重たい、絵のタッチもさることながら映画を見終わった後少々考え込んでしまった、帰りがけの座席の若い女性の会話で「今のん訳わからへんわ〜」と言うのが聞こえてきたぐらいだ
他には2002年アカデミー賞にノミネートされた「頭山」、5年目にしてやっとちゃんとこの映画を見ることが出来ました、テレビとかで少しは見ていたのだが映画館で見るとまるで違っていた、何とも言えない絵の暖かみがありやっぱり映画は映画館です、ストリーも落ちも抜群で彼の描くアニメーションはすべからくシュールな題材がばかりなのかも知れない
2005年「年をとった鰐」はとんでもないストーリーで、絵のタッチが大好きな滝田ゆうの畳を彷彿させるごちゃごちゃなようでシンプルな線、こんな簡単な線でアニメが作られるのかと感心するぐらい線の波が非常のよくできている、しかし残酷な大人の寓話である
2007年「子供の形而上学」タイトルを見ても判るようにストーリーはない、子供の頭の考えることが次々あらわれBBCで大ヒットしたモンティパイソンのアニメの滅茶苦茶さに通じる物がある
2007年「校長先生とクジラ」捕鯨反対キャンペーンに一環で作られた短編アニメ、絵として面白いのだがストーリーにひねりも落ちもないので、見終わった後に「?」が付く
山村浩二のアニメーションは普段見慣れている宮崎アニメとはまるで違う世界が広がります
冬の薔薇はなかなか開花しません