莫大小

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当て字
この字を読めるようになったのは中学ぐらいではなかったろうか、意味が判った途端「?」が点灯すると共に「なるほど」とも思った

私の住む下町は昔「縫製業」が多く、家庭調査の職業欄に縫製業と書くのが子供心になぜだか嫌だった、今から考えると子供ながらにホワイトカラーに憧れていたのだろう

縫製業の中で一番多いのがメリヤスで、そこの子供がこの漢字を知り始めた頃に「ばくだいしょう」と言う渾名を付けられることになる、耳で聞くとさっぱり理解できないのだが漢字で見ると何となく理解できる

我が家もメリヤスではないが同じ音が聞こえ物心着いた時には聞こえていたわけで、友達曰く「お前の家は関西汽船やなあ」、まさに瀬戸内海を航行する汽船の2等船室の音で、ミシンと言っても1台のモーターで何台も動かしている工業用ミシンなので何とも言えない機械音が家中ずっと鳴っているわけである

「莫大小」の当て字は意味的には理解できるが音的には何処にも接点がない、普通の当て字は外国名のように何処かで音が合わさっていて何となく読める

当て字を調べると、固有名詞は中国語と同じモノが多く「ギリシャ=希臘」などがあり、日本独自では「ドイツ=独逸」「ベルギー=白耳義」
完全な当て字には「でたらめ=出鱈目」「めちゃくちゃ=滅茶苦茶」などがあるがどれも読めないことはない、しかしメリヤスの文字は伸縮の意味からこの文字が当てはめたらしいが読むことは不可能に近い

この仲間には、調べたら「レモン=檸檬」「トマト=赤茄子」「ピアノ=洋琴」「バイオリン=堤琴」「タンポポ=蒲公英」「パセリ=和蘭芹」「チューリップ=鬱金香」などがあったが半分ほどしか読めませんでした

http://www.geocities.jp/f9305710/ateji.html

誰がこの当て字を考え定着させたか知らないが、明治時代に森鴎外達が西洋書物を翻訳するに当たって日本にそれに該当する言葉が無く、和訳を次々と作り上げたがこれらは妙にぴったりでただただ感心するのみ

philosophy=哲学などは完璧である
by PUSH-PULL | 2007-09-05 08:48 | ご託&うんちく | Trackback | Comments(0)

珍しく我が家のマイマイが甘えに来た、正式名は「シャー・アズナブール・マイマイ」と申します


by PUSH-PULL