またぞろ恥も外聞もなく出来上がったばかりの仕事のことを書いてみた、企画やデザイン・図面などが多く打ち合わせとデスクトップでの仕事が大半なのだが時々私自身が作る事もする元来が美術の人間なので考えるのも大好きだが作るのも大好きなのである
当初はコンピューターのレーザーで加工するはずだったのが予算やハンドメイド風合いモロモロで急遽手作りに変更、上の写真の後は研磨を施し金メッキをする
時代は古墳時代の中期で紀元400〜500年あたりの装身具の埋蔵品である、本物はかなり腐食しているが展示用にレプリカを作ることになった、場所は兵庫県加古川市で時代考証では中国から渡来したと思われる、博物館を訪ねるといつも思うのだが陶器でも何でもそうだが中国や朝鮮の文化には想像も付かないような歴史がある
今でこそやらせ段ボール肉まんだの、鰻だの歯磨き粉にペットフードと中国を色々とコケにしているがいざ文化という尺度で見るとあまりにも違いすぎる、同じ古墳時代の日本ではとてもこのような装身具を作る技術はなくましてや金メッキを施す技術などまず無理である
真鍮板はミシン鋸では殆ど切れないのでトレースした絵柄に糸鋸用の穴を開け手持ちの糸鋸で切る、次は細かい模様のための約1.5ミリの厚さ0.5ミリぐらいのタガネ作りから始めねばならぬ、柄に合わせ小さいタガネを色々試してから本番のタガネを決定、何事もまず場所と明るさと仕事に合わせた工具作りが大切で、それを飛ばすと思わぬ失敗や時間のロスが確実に派生する
定盤に真鍮板を貼り付け毎日毎日コンコンとタガネ打ち、あまりの細かさにすぐに目がクラクラするので仕事は分単位である、直しがきかないので少しでも失敗すると最初の板を切る所から始めねばならない、ハンズとコーナンのおかげでどんなに助かったか、ルーターの先は色々揃えていて問題なかったが、細かい作業はやはり手仕事になる、今回新たに購入して役に立ったのが極細のヤスリ各種である、1㎜から2㎜ほどのヤスリがどんなに働いてくれたか感謝
しかし写真を見ても判るようにタガネ細工の方は少々問題で詳細を見るとアラだらけかも知れない、他の方が作られたレプリカの写真を見た時はこれぐらいすぐにでも出来ると少々バカにしていたが、作業にかかったとたん反省ひとしきり、やってみるとすぐ判るが大変な作業なのである
私は近眼であることに久々に感謝、眼鏡を外すと裸眼で作業が出来たからである、しかし細かい1ミリ以下のラインの模様のところだけはルーペの眼鏡を掛けクラクラしながら作業いたしました
昔から細かい作業は苦にならないのだが、終わってからこんな作業って後何年出来るのだろうかと考えてしまったのである
これから彫金のお師匠のところへ習いに行ってきます。
お風呂に入るたびに握力をインターバルで千回以上やっているおかげで長時間のキーボードもタガネも何とか明日に引きずら無くなっていたのには驚き、おまけに脳の老化防止にも効くとかで良いことづくめなのだ