小宇宙

小宇宙_b0057679_8301137.jpg
マラ/サド
公園の片隅の排水溝を眺めていると不思議な間隔にとらわれた、ひょっとしたら蓋の向こう側にもう一つの別の世界があるのでは

熱帯魚を飼っていた時、水槽に入れる水草が大好きだった、上手くレイアウトすると水槽の中に別の空間が出来上がるのである、熱帯魚を飼わなくなって暫くすると大きな水槽に水草や藻類だけでレイアウトするのがブームになった、勿論水槽の中にはお魚は存在しないのだがなかなかこれはこれで美しい

考えてみると盆栽しかり、もう少しスケール感を広げて考えると日本庭園も同じ線上にある、つまり人間の手で新しい小宇宙を作り出すことにある、鉄道模型やドールハウスなども本人は好きなことをやっているだけかも知れないが、コンセプトは同じではないだろうか

小宇宙_b0057679_8304499.jpgパソコンに排水溝の写真を取り込みトリミングをしたりしながら遊んでいると昔見た映画を思い出した、上流社会の人間がおめかしをして精神病院へ出かけ、檻の中で精神病患者達によって演じられるお芝居を見物するという話、患者によって演じられる劇中劇はフランス革命で活躍し暗殺されたポール・マラーのお話を、病院に収監されていたサド侯爵の演出で繰り広げられる、主役のサド侯爵を「時計仕掛けのオレンジ」で有名になったパトリック・マギーが演じていた

檻の中の患者達のお芝居を檻の外で観る貴婦人達を映画館で私たちが観るという複雑な階層なのだが、映画を観ている間に何故か観られているのは檻の外の紳士淑女の人たちではないかと感じてしまう

映画のタイトルはあまりにも長いのでマラ/サドと言われている「マルキッド・サドの演出の下にシャラントン精神病患者によって演じられたジャンポール・マラーの迫害と暗殺」である

映画を見終わった後も暫く居心地の悪さを感じていたのを思い出した、しかしこの手合いの映画を見慣れていない方にはとんでもない退屈で難解な映画かも知れない、セットもほとんどなく衣装も白い患者の服だけ

私が小花に憧れたり、素モグリでカラフルな海牛を見つけ感動しているのも同じ感覚で、小さな頃から殆ど変わっていないのだが、大きい物に憧れるより非常に経済的であります
Commented at 2007-06-27 12:07 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by PUSH-PULL | 2007-06-27 08:36 | ご託&うんちく | Trackback | Comments(1)

珍しく我が家のマイマイが甘えに来た、正式名は「シャー・アズナブール・マイマイ」と申します


by PUSH-PULL