三喜 徹雄

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色と形
先日の3人展のもう一人が三喜である、彼とは本当に若かった頃京都四条小橋上ルにあった「ダウンビート」でジャズを聴いていた、ジャズ喫茶にしては珍しく音響設備がモノーラルだった、おまけにお店にはレコードが100枚しかなく新譜が入荷すると古いレコードが1枚減る案配で、帰宅コースの四条河原町駅に近かったので一番良く出入りしていた

お金がないときはコーヒーより安いソーダ水を注文して何時間でも彼とだべっていたのである、一人で行くことも多く御陰で後日一緒にパフォーマンスをすることになった水上氏、まだ高校時代のチャー坊(後の村八分のボーカル)、フォークルと一緒に行動していた松山猛(今やエッセイストで有名)、リストカットのラリマリ(時々コップを食べていた)、新生を吸っていた美人の陽子、振る舞いがジャズだった花屋のジーショ、すぐ近くでショットバーを経営している力さん、どんどんと面白い友達が増えていった

三喜 徹雄_b0057679_8312580.jpg三喜とはその後別々の道に進んだが何時もつかず離れずで今でも何かあると一緒に遊んでいる、最近訳あって彼は鬱になっていたらしい、確かにその時に描かれた大量の作品の色遣いはアンバランスで派手だった、でも今回の絵を見ると安心するぐらい落ち着いた軽やか色合いになっている

そのころは三喜とガリバーと3人で町で突然行動を起こすハプニング実施、ハプニング集団「PLAY」に参加、その後私はPLAYを脱会したが彼はいまだにグループで活動を続け、丁度今国際現代美術展の「横浜トリエンナーレ」に招待されプレイの池水慶一氏と一緒に足場の単管を使った作品を作っている

いつもながら三喜の作品を見ていると本当にモノを作るのが大好きのがヒシヒシと伝わってくる、私のようにご託を並べ斜に現代美術を見ているのとは大違いである、少し前までジャズをテーマにイラストっぽい絵を描いていたのだが、今回のグリーンの作品は明らかに別の世界へ跳躍しようとしているのが感じられるのだが・・・

「緑の木々の向こうに見える真っ青な海、青い空とぽっかりと浮かぶ雲」実はこの絵は連作で写生風のハッキリした絵からどんどん変化した後、一番新しく描かれた絵がこれである、初期の風景画スタイルより何と軽やかで明るい世界なんだろう

しかし彼はもう大きな木を使った新しい作品に取りかかっていた、出来上がるのが楽しみである
by PUSH-PULL | 2005-10-09 08:54 | アート・デザイン | Trackback | Comments(0)

珍しく我が家のマイマイが甘えに来た、正式名は「シャー・アズナブール・マイマイ」と申します


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