映画が始まるとブリューゲルの「十字架を担うキリスト」がスクリーン一杯にとんでもない高画質で広がる、ところが絵の中の人が全部動いているのである
そして画面に画家のブリューゲルが登場し、彼のナレーションと共に絵の中の描かれている風景と人についてのお話しが始まる、ずっとセリフもなく農村の日常生活が描かれていく
こんな映画を見たのは初めてで、私の知らない不思議な映像空間が繰り広げられるのだが、ただただ美しく見とれてしまう、たった1枚の絵からこんな面白い映画が生まれるとは
画面の中央にキリストが描かれているのだが、周りの人は何故かたまたま行列に居合わせ、イエスの代わりに十字架を背負うように命じられた左下のシオンに目が向けられている、絵の中にはまか不思議な色々なお話しがある
崖の上の小麦を挽く巨大な風車、パンを売る行商人、スペインからの赤い服を着た侵略兵士たち・・・16世紀のベルギーのフランドルの風景の中に聖書の物語を重ね合わせ綴られている、時間系列を飛び越えてしまった、描かれている絵の中のストーリーや歴史が少しでも判るだけでこんなに楽しくなるとは
ブリューゲル役にあのブレードランナーで適役を怪演していたルトガー・ハウアーが、見事に老けておりました、そりゃ30年もたっているもんなあ、ほかにもシャーロット・ランプリングやマイケル・ヨークなど
監督のレフ・マイェフスキは初めてなのだがポーランド生まれ、もしブリューゲルをお好きなら絶対見ることをお勧めします、今も私の頭の中を映画で見た断片が次々表れては消えていきます、ちなみに劇場は九条のシネ・ヌーヴォ
久しぶりだがやっぱり旨い、僅かな豚肉と大量の野菜、入っているのは底から豚肉・豆腐・しろ菜(広島菜)?・春雨・もやし・にら、段々と煮えてくると嵩が低くなる、小鉢に入れられたお醤油に辛子を少しずつ溶かしながら付けだれとして頂く
最後の〆にご飯と卵で雑炊、つきだして出される手作りの山椒の実がこれまた旨いのです、映画も食事も満足な一日でした
私も家でアタックしましたが失敗(笑)、目と鼻の先に松島新地の明かりまみえます