忍者映画の極めつけ「忍びの者」

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浅野潜さんと映画を楽しむ会
それまでは子供だましのチャンバラ映画の忍者ものが、初めてリアルに描いた忍者映画としてヒットし忍者ブームが始まった、市川雷蔵と言えば眠狂四郎が有名だが、この忍びの者シリーズも何本も作られている

調べて判ったのだがこの1962年の「忍びの者』の他に、「続・忍びの者」「新・忍びの者」「忍びの者霧隠才蔵」「忍びの者続・霧隠才蔵」「忍びの者伊賀屋敷」「忍びの者新・霧隠才蔵」「親書忍びの者」

不思議なのは忍びの者は村山知義原作なのに霧隠才蔵から、本はあるのに村山知義の名が無くなっていて脚本者の名だけが出ているのがよく分からない

村山知義原作の「忍びの者」は共産党の新聞「赤旗」に連載されていたと言うから凄い、さらに監督が「白い巨塔」「不毛地帯」などの社会派作品が多い山本薩夫

しかし映画を見る限り何処が赤旗で左寄りかと思うぐらい良くできた映画で一級の出来上がりである、40年以上も前の映画なのに新鮮で先日見たカムイ外伝よりリアルで面白いぐらいだ(笑)

あの頃の忍者ものと言えば五味康祐の「柳生武芸帳」に白土三平の「忍者武芸帳」と司馬遼太郎の「梟の城」など次々と面白い本があらわれ、福田善之の「真田風雲録」も戯曲だが面白い

織田信長が勢力を拡大し、目障りな一向一揆や甲賀と伊賀を潰していく時代が背景にある、そこに伊賀の中で百地三太夫と藤林長門守が対立する中、忍びの石川五右衛門が加わって展開されるて行くが、今までの忍者ものと違って五右衛門の葛藤があり現代に通じるリアリティを生み出しているのである

雷蔵の石川五右衛門は野性味に少々かける嫌いがあるが、勝新と大映を2分するだけにやっぱり格好いい、あの時代は年間の出演映画が14本ととてつもない数、このあと忍びの者シリーズと並行して眠狂四郎が始まる

ただ一つ残念だったことは石川五右衛門が全ての支配から解放され、女房の元へ喜び勇んで帰って行くというハッピーエンドがいまいち気にくわない今日この頃なのであります

浅野さんの解説が何時も面白くその時代の映画の裏話が色々と聞ける、リアルタイムで映画に関わっているのでスターの名前も「らいちゃん」に「かっちゃん」だから恐れ入ります、この頃の映画は何時も封切りが2本立てだった、ちなみにこの時は本郷功次郎の「風神雷神」ですが勿論知りません
by PUSH-PULL | 2009-10-17 08:56 | ご託&うんちく | Trackback | Comments(0)

珍しく我が家のマイマイが甘えに来た、正式名は「シャー・アズナブール・マイマイ」と申します


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