「わ〜あわ〜あ、わっはっは、わっはっは!」
自転車で信号待ちをしている私の耳に遠くから大きな声が聞こえてくる
暫くして私の横で自転車を止めるなり、少しだけ鼻水を垂らしながら
「笑・わ・れ・た、寒いから大きな声出したら笑われた」
と私に言うので
「元気があってよろしいやん、羨ましいですよ」
「そうかあ、わ〜あわ〜あ、わっはっは、わっはっは!」
信号が青になって走り出すと、後から
「笑われた!大きな声出したら笑われた、わ〜あわ〜あ、わっはっは、わっはっは!」
ずっと私の後を声が追いかけてくる、彼の声は声量がありラップのようなズム感、100m離れていても聞こえるのだ!
たまに街で見る小太りのおじさんで、いつもワーワー言いながら自転車で走っている
まさか私に話しかけてくるとは思っていなかったのでちょっとどぎまぎ
そう言えばここ何年も大声を出したことがない、いやひょっとしたら生まれてこの方無いかも知れぬぐらい記憶の中にない。生活の中に大声というモノがない、以前はロックのライブを聞きに行くたびにとんでもない音響の中で聞き惚れ、コンサートが済んでからも30分ぐらいは耳鳴りがしていたモノだ
後はお芝居の基礎訓練の発声練習の時ぐらいかなあ、でも大昔だ
「アエイウエオアオ・・・・・・・・・・・・」
「書写山写僧の総名代、今日の僧者は書写じゃぞ書写じゃぞ」
「お門跡様のお庭の御池のお蓮の上におカエルのお子がお三匹お留まり遊ばしてお山椒のようなお目オパチクリオパチクリ」
咆哮という行為を私は知らない、ストレスが溜まらない楽な生き方のせいか、酔っぱらってもほとんど乱れないのだ、人によってはそれをオモロナイという御仁もいるが、私に言わせれば「何で酒の時だけやねん!文句があるなら素面で言え!」と思わず突っ込みたくなるのだが、それを言ってしまうとシラケそうになるので、一緒に騒いでいるのだがね。
ついつい大声を出すときがあります。そんな時通りがかりの人はこの人変な人思うのかもしれませんが気にせずに、いや 人目は関係ありません。私は毎日大声を街中にばら撒いてます。
普通独り言を言ってる御仁は暗く危ない感じがするのですが、明るいのですよ、でもちょっとお友達にはなりたくないのが本音です