今年最初の手作りカメラの会に出かける、夕方から恒例の飲み会ちゅうか新年会、毎月一度大衆割烹のチェーン店へみんなで例会のあと覗くのだが、昨年の秋頃からいつ行ってもお店はガラガラ、お酒の値段も安くアテもまずまずなのだが・・・
家に戻ってからいつものように犬々の散歩に公園へ、遅い時間だけに犬仲間とは出会わずじまいだが冬の雲の流れる月が余りにも美しい、だだっ広いグランドには誰も他に月影はなし、ど真ん中でじっと犬々と一緒に佇み空をしばし眺める
いつもだと夕食前に銭湯に出かけるのだが昨日は9時を廻ってからだった、脱衣場で聞くともなしに耳に入ってくるのは
「丁度終戦になったとき儂らはみんな東京に集められてなあ、もう戦争は終わったからみんな国に帰るようにって米を渡されたんや、若狭に帰るのに名古屋で一泊したんやけど、あのころはお米を持っているだけで旅館にただで泊まれたんや、やっとこさ家に戻ったらみんなになんと言われたと思う」
「・・・・」
「折角苦労して家に帰ったというのに、親戚の連中に折角東京まで行ったなら何で皇居の前で腹切らへんかってんって言われたんやでえ」
「おっちゃん、やっぱり17や18で特攻隊に入るって理解でけへんわ」
夕方に歩いた土曜の心斎橋は若者達が着飾り元気に歩き華やかである、何処が格差社会だの派遣だの年金だの、没落する日本の影は微塵も感じられないのが不思議で、同じ時間軸で蠢いているとは・・・
旅する蜜柑は階段を降りるときふと立ち止まってしまった