細江と球体写真二元論

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ときにはまじめに
昨日森山大道氏の話を載せたので、今日はその師匠の細江英公氏の話し
森山氏が東京に出て最初の仕事場が細江氏のスタジオだった、つまり三島由起夫の「薔薇刑」時代も彼がアシスタントをしていたわけである

昨日毎日新聞記事に挑発され尼崎まで「球体写真の二元論ー細江英公の世界」と言う写真展を見に出かけた、1時半から彼の講演に合わせて出かけたのだが何と講演会は無料、おまけにびっちりと3時間も、おまけにぎりぎりに行ったため満員で立ち席

彼の今までに出版された写真集を年代に合わせて写しながらのお話、スライドと言ってもパワーポイントらしきアプリで編集されているので写真に動きがあり見やすい、彼の話は講演やワークショップ慣れしているためか非常に判りやすい

付け加えるなら表題にもあるように彼は「平面の二言論」の行き詰まりの考え方を、「球体」という平面に置き換え、対極にある「主観」と「客観」の関係を360度方向に広げたのである、ここで言う主観とは「自己表現性」であり客観とは「記録性」のことである

有料の方の写真展はすべてオリジナルで、写真とは印刷されたモノとオリジナルプリントを比べると判るが微妙なトーンが明らかに違い、やっぱりオリジナルの方が素晴らしい、展覧会用の写真カタログを買ったのだが出品されていた200点あまりの写真が全部載っていたのでお買い得でした

荒っぽい分類をすると、初期作品のボーディちゃんの頃からコンクールで片っ端から1等賞で賞金を稼ぎ撮影費用を稼ぎ、「おとこと女」「薔薇刑」「抱擁」の裸体写真での独自の性表現、そして私の好きな今回のポスターになった「鎌鼬」をはじめとする土方や大野の舞踏家の写真群、「ルナ・ロッサ」に代表されるように`60年代から始めていた細江独自のソラリゼーション写真、そして彼のライフワークとも言える「死の灰」による人間の黙示録写真がある

若い頃に感動した鎌鼬の土方巽の写真は何だったんだろう、私自身おどろおどろしいアートシーンの隅っこでリアルタイムに彼の姿を間近にも見たこともある、土方も大野も三島もモデルとしてではなく彼の自己表現としての被写体としてモノクローム平面として鮮やかに定着されている

社会主義リアリズ写真、つまり社会性が要求されたドキュメンタリー全盛期にあって、細江の写真は一見異端と写りながら新しい写真芸術として受けいられていった

彼の写真、額装されたオリジナルプリントが思っていたより小さかったのだ、考えてみれば絵画とか彫刻と違って写真の大きさを決めるのは何なんだろう?、印刷物のサイズ?プリント代?・・・

下の写真は彼のスタイルを決定づけたとも言われる`60年の「おとこと女ー作品19」(部分)、この19というのは19頁に載っていたかららしい(笑)、しかしこの後森山氏に代表される「アレ」のお手本がここで表現されていて興味深い
オリジナルプリントより少し大きめです、部分と言えど著作権問題があ〜

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Commented by 白髭 at 2008-11-23 12:09 x
写真を生業にしていますが写真芸術にはとんと縁が遠くなりました。なるほど今月一杯尼崎市で開かれているんですね。講演に合わせて見に行くなんて見上げた芸術探求心ですね。私にはそこまで行く元気があるかどうか。見てみたいものですが。
Commented by yasu at 2008-11-23 13:36 x
講演は昨日でしたか?

私も『薔薇刑』と『鎌鼬』のオリジナルプリントが見てみたくて
今日にでも写真展を見に行くつもりでいました。

でもこんな時にかぎって毎日新聞は集金に来ないんだから・・残念!
Commented by PUSH-PULL at 2008-11-23 18:06 x
3時間の講演は濃厚でしたよ、ブログに書かなかったおもしろネタが一杯でした、ニコマートにキャノンのスクリューマウントの驚くべき撮影方法など・・・ビールも写真も生が一番
Commented by mimopowerOM-1 at 2008-11-23 23:43
うーん難しい話はちょっと、、、
でも、なんでも生が一番
パドックで馬を見て驚いた、テレビ画面とは情報量がまったく違ったもの
Commented by PUSH-PULL at 2008-11-24 09:10
パドック?
書くとこむつかしいが、話はわかりやすかった
by PUSH-PULL | 2008-11-23 08:59 | 写真 | Comments(5)

ご近所ののらら、なかなか可愛いですな


by PUSH-PULL