カンカン照りの中、タオルのハンカチを片手に頭の中の地図を思い出しながら北西の方向へ歩き出す、後で判ったことだが南側へ出た方が近いということが判明、突き出し看板が「百済時計店」で平看板が「松倉時計店」?
お店の前に立つと入るのにちょっと勇気が必要な店構えで、これは広々としたスペースで店員だけが目立つ大手チェーンの眼鏡屋とは逆の意味だが、私にはどちらも少々入りづらい
眼鏡のフレームだらけのお店に一歩足を踏み入れると後は否応なしに眼鏡を作ることになる、気の弱い方や上品な応対を望まれる方は遠慮された方が無難である、店員というより生野区の元気な主婦と言った風情の女性が5〜6人、あっと言う間に検眼の椅子に座らされ視力検査、こちらの質問にも「ただいま検眼中です!」とほとんど会話らしい会話無し
私のような遠近両用眼鏡は一万二千円から、むむむ、もっと安いかと思っていたのだ、私の質問は「遠近両用眼鏡は一万二千円から、の`から`はどういう意味ですか?」だったのだが
すぐに奥にある実際にレンズを入れての検眼に案内される、どうも会話からレンズ調整してくれたおっちゃんがこの店の主らしくだんだんと様子がわかってきた、普通の眼鏡屋さんのようにちゃんとした用紙もなくその辺のメモ帳に視力と私の名前が書かれ事が運ぶ、レンズも任せてくださいの言葉に少々不安になり聞くと「HOYAのレンズを使いますから心配ありません」とのこと
近眼だけだと問題なさそうだが、乱視や遠近あるいは中近などの検眼はご近所の眼科で眼鏡用の検査をしてからデーターを持ち込んだ方が無難なような気もする、実際のレンズテストも薄暗い場所で奥行きがないのでミラーを利用、遠近のテスト用の新聞もかなり傷んでいる(笑)、普段知っている眼鏡屋とは明らかに店の美感度が違うのだ
私の持ち込んだ壊れた眼鏡の度数も調べて貰ったが、質問するまで今度作られるレンズの度数も告げられないありまさ、確かに近眼だけの方は三セット作っても五千〜八千円あたりで出来上がるようだが、度数やレンズの種類でかなりの値段差がありそうだ
「一万二千円の遠近の方は店内のどのフレームを選んで貰ってもかまいません」、つまりショーケースの中の割高フレームも問題なしということ、フレームの値札が五千〜三万あたりか
「丸いフレームが好きなんですが?」「自分で探してください」
多分一万ぐらいあるのではないかと思われる写真のようなフレームだらけの店内をウロウロすることになったのだ、眼鏡のイメージは出来ていてもこれが大変、しかも遠近はレンズ天地が四センチ以上ということなので店の方に借りたボール紙のちっこいサイズ表を持って(笑)・・・つづく