私は生まれてこの方、自分の足に合わせて革靴を作ったことは一度もない、男の最後のおしゃれは足下と言われるように靴の趣味が悪い人はブランドの服を着ていても失格である
自分の足の木型が靴屋さんにありいつでも注文できる、な〜んてなのは夢のまた夢、と言うか私の生活の中には存在しない、っちゅうか私の服装にはどだい合いそうにもない
私の友人に一人だけ同じデザインの靴を何足も色違いで作る男がいるが、もちろん靴屋さんに彼の木型はある
昨日のパスタ屋さんからさほど遠くないところにこの靴屋さんがあった、ファサードもサインも控えめに見えるがよく見ると隅々までデザインが行き届いている
壁に付けられたシンプルな看板も、デザインされた鉄製の靴のシルエットの隙間から夕方になると光がこぼれていておしゃれ、トタンのように見えるコンクリート壁の凹んだところにコードがはわされていた、きっと隠したかったやろなあ〜
ウィンドウには木型とほれぼれするようなラインの靴が一足だけ、シンプルな店内には靴らしきものは一足も飾られていない、こんな靴屋さんで靴を作ったら歩くのも軽やかになり絶対に足は疲れないだろうが疲れるほどの費用がかかりそうな気がする
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