昨日は帰るのが少し遅くなった、自転車のカゴに犬々を載せて公園へ向かう途中にふと不思議感があった、誰でも自転車を漕ぐ時には当たり前のように感じているのが「風」、冬の自転車は堪らなく冷たい風が顔に刺さってくるのだが角を曲がった途端何も感じなくなったのだ、つまり無風状態
しばらくすると元通りの冷たい風が前から吹き付けだした、先ほどの状態は風と同じ速度で走っていたわけでヨットで言う「ランニング」
ヨットのセイリングには大別して前からの風に帆走するのが「クローズド・ホールド」、横からの風が「アビーム」、後からの風が「ランニング」と言い先ほどの状態がまさに「ランニング状態」なのである、他にも斜め状態など細かく分かれているが今日は無視、勿論真正面の風の方向には進めません
真夏の航行で前からの風や横からの風は体に感じ走っている感覚が味わえるのだが、真後ろからの強い風で帆走すると船はスピードを上げ走っているのに船の上は無風状態、甲板はとてつもない高温になるり遮る物は何もなく太陽はじりじりと体を焦がす
昔の日本の帆掛け船はまさにこの状態でしか航行できなかったわけで、あくどい商売人の代表紀伊国屋文左衛門のミカン船がまさにこれ、ところが江戸後期になると帆を改良した北前船が現れる、横からの風でもかなりの角度で切り上がることが出来たのだ、ヨットで言う切り上がるための船底に取り付けられたキールの替わりの役目をしたのが馬鹿でかい舵なのである
西洋の重たい帆船と違って北前船は木造の軽量なのでその時代では世界最速を誇っていた
不思議感ついでに薄暗い公園でガキの頃を思い出し目隠し歩きを敢行、そう言えば目をつぶって歩くのは久しぶりで時々10歩ぐらいなら歩いていたのだが、目を閉じて123と数を数えながらゆっくりと大股で誰もいないグランドの真ん中を目の悪い犬々と一緒に歩き始めた
10歩あたりから方向感覚が段々無くなり50歩ぐらいになると恐怖感が段々と少なくなり不思議な感覚が味わえる、100歩で目を開けた時、真っ直ぐ歩けた自分に感動いたしました