何時も同じ時間に同じ場所で彼を時々見かける、真夏の暑い日も寒くなった今日この頃も、休憩時間の間の彼は何をする訳でもなくガードレールに腰を掛けじっと前を見つめポケットからおもむろに煙草を取り出して美味しそうに燻らす
ガードマンがガードレールに腰掛ける姿はだじゃれで笑う以前に何とも言えない寂しさを感じてしまった
前からの写真は抵抗があり後ろ姿になった、モニターで写真のトリミングをしていたらふと先日のテレビドキュメント番組で写真家の細江英公氏の話思い出した
丁度私がウロウロしていた頃で彼は篠山紀信と並ぶ人気カメラマン、細江英公に興味があるというより彼の映し出す被写体の方に興味があったのだ、裁判にまでなった「悪徳の栄」の翻訳で間違って一躍脚光を浴びてしまった澁澤龍彦、現代舞踏の土方巽、同じく舞踏の大野一雄、「薔薇刑」の三島由紀夫、テレビとはいえ動画の澁澤の肉声が聞けたのは驚きでもある
左の写真は1965年に出版された細江英公「鎌鼬(かまいたち)」の余りにも有名な写真で、並べて載せるだけでも失礼なのだが・・・モデルは先に書いた暗黒舞踏団の土方巽、昔々赤坂のMUGENでご一緒したことがあるのだが凄いパワーで圧倒されました、写真は東北の素朴で何とも言えない寂しさと静寂だがとんでもないエネルギーを内包している、被写体が良いのかカメラマンが良いのか40年経った今でも迫力のある写真の一つである
好きなカメラマンは沢山存在したが彼らの写真集は書店で立ち読みするだけ、とても私が買えるような金額ではなかったのだ、鎌鼬も復刻版が出ているが約3万で私の手元に来ることはあり得ないだろう、何だろうねえこの限定500部っちゅうのは・・・
美術書しかり写真集しかり、とんでもない値段が付けられる、学生やその道を勉強する人にとってはまず買えない金額だろう、もっとも最近は印刷方法も変わってきたので私の知る人の作品集などは立派な装丁にもかかわらず安価に抑えられていて、先日買った松本氏のオーロラの本は1700円也
印刷物で無茶苦茶高いのは映画とコンサートのパンフレット、発行部数から考えるとあのページ数では2〜300円あたりで作れるはず、しかし映画だと600〜1000円でコンサートに至っては天井知らず、ファン対象とは言え何万の客を相手にボリすぎやでぇ〜!ホンマ
ありゃ?話が脱線してしまっている
今朝の散歩の途中で採集