カオスと自由

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異空間
小さなビルのEVを降りると饐(す)えた臭いがつんと鼻を突く、EVの前にはカウンター用の椅子、階段周りには酒のケースやいろいろな箱類、お店のドアは開けっ放しで薄暗い店内には客は誰もいない、思わず工事中か休業で片づけをしているのか一瞬疑ったが店内のカウンター越しのマスターは客として出迎えた

一緒にいった女性がこの店の知り合いだからで一見ではまず入らないであろうしここまで上がってきても店の前で引き返してしまうであろう木屋町にあるこの店の名前は「八文字屋」

b0057679_9433222.jpgオーナーの名前は甲斐不佐義、バーの経営者でもありカメラマンでもありゴーストライターでもあり出町柳の著名な「ほんやら洞」の経営者でもある、そしてもうすぐ上映される「ハヨリの夏」にも役者として出演しているとか・・・多芸である

京都に住んでいた頃の私の行きつけの店の名前の中になぜか「ほんやら洞」の名前はない、ジャズなら「ダウンビート」「シャンクレール」「ビッグビート」、喫茶では大勢の時は今もある「フランソワ」や「黄昏」「夜の窓」にそして河原町三条下がる「六曜社」、お酒をたしなむようになってからは祇園石段下の「ヴィオロン」銀閣寺の「ZIGZAG」、飲み屋では賀茂鶴の樽の二級をおいていた川端二条の「赤垣屋」に南座の前の「杉酒屋」友達がやっていた紫野の「贋作」など、今思い出してもこの何倍かの行きつけの店の名前がでてくるのだがその中にどうしてか無い

今考えてみると、自分自身が学生運動に首を突っ込んでいたにもかかわらずセクト問題もあり、話がややこしくなる店は一度は顔を出すが何度も行くことを避けていたような気がする、それが「ほんやら洞」であり吉田山の大好きな泰ちゃんがやっていた「白樺」なのかもしれない

お店は写真を見てもわかるように乱雑で。一緒に行った女性によると「日本一不潔な店」と言うことになる、乱雑なのはお互い様であまり苦にしないが臭いの方はどうも辛い、しかし数分座っていると臭いにも慣れカウンターの目の前におかれた二階堂のロックを頼んだ、マスターでもある甲斐氏はちびちびとずっと焼酎らしきものをストレートで飲み続けなのでハイボールなど混ぜものは遠慮することにしたのだ(笑)

b0057679_9453886.jpg少し落ち着いたところでオーナーの了解を取って写真を撮ったのだが、了解にも一言注釈が入る有様でいろいろ質問することを諦めてしまった、出版した写真集がもう40冊以上で今年に入ってもう6冊目とか何冊か拝見させてもらったが(写真の中の積み重ねられた本がそれで取り出すのに一苦労)モノクロのポートレートが多い、もちろん京の町並みや猫の写真集もあった多くは美女シリーズであり最近刊はお店にきた女性たちであった、確かに本を見る限り美女多数で外人も多い彼女たちはこの店をどう思ったのであろうか?そしてこの臭いをどう思ったのであろうか?不思議でしかたなかった、ちなみに八文字屋のHPは
http://honyarado.cool.ne.jp/
八文字屋の名前の由来などが知ることができさすが京都・・・なのかもしれない
帰るまで気になったのはカウンター越しに見える厨房のガスコンロで、暖をとるためかどうか知らないがずっと上に何も乗せられないままずっと燃え続けていた、大きな中華料理屋さんのようにいちいち火をつけるのが面倒なので種火がずっと点いていることはあるがこんな大きな種火はない
そして甲斐氏は私の顔を一度も見ることなくグラスの透明の液体を飲み続けていた、私と言えば京都駅発最終の快速に乗るべく私を案内してくれた女性を残したまま脱兎のごとく消え去ったのである
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by PUSH-PULL | 2006-11-15 09:58 | 写真 | Comments(0)

公園で久しぶりに会ったミニピンの太郎君、商店街に昔からあるお茶屋さんのわんこ、気が向くとこうして飛んでやってくる


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