イノセンス

イノセンス_b0057679_1085989.jpgバトー
イノセンス_b0057679_1092728.jpg先日の「攻殻機動隊」に続き、志郎正宗・原作、押井守・脚本監督の「イノセンス」を見た、前回から9年が経っているのだが、丁度パソコンの画像システムの進歩と共に格段に絵が綺麗になっていて(私のパソコン歴もほぼ同じ)手書きアニメがCGへ、しかし映像を見る限りこれがアニメーションとは信じられないぐらい綺麗で精密で素晴らしい

イノセンス_b0057679_1094270.jpg何故イノセンスなのかよく判らないのだが映画を見る限り「攻殻機動隊2」である、情報の彼方に消えた草薙素子、残された主人公のバトーが不思議な人形の世界へとはまり込んでいくのだが、ストーリーはあくまで事件の犯人探しが骨格になっている、昨年封切られた時にあまりに話題にならず興行的には大失敗だったらしいが判るような気がする、つまりストーリーと台詞が難解すぎることでかなりオタク気味の私が二日続きで同じDVDを見たぐらいなのだ、なぜなら1回目は少しお酒が入っていて所々「西川君」よろしく気絶していたからだ(笑)

原作と脚本の力関係がよく判らないのだが(済みません原作を読んでいません)映画で取り上げられているのは押井監督だけで原作の志郎氏はオモテに出てこないのが不思議である、この辺りが大友とか手塚や最近の宮崎とは全然違う

ハンス・ベルメール「イマージュの解剖学」という本があるのだが、彼がマルキッド・サドやジョルジュ・バタイユに寄せたエロティシズム表現論で、あの「球体関節人形」(下の写真)がかれ自身の撮影で載せられている、その人形も何と1934年に発表されている

この映画と同時に東京で「球体関節人形展」開かれたぐらいだから、押井氏の人形に対する熱愛具合が判る、クラシックなフランス人形を見た時も四谷シモンや上記のハンス・ベルメールの人形でも感じるのだが、見た瞬間人形の持つ疑似人間感覚が細胞の中に入り込んでくる、この「少しアブナイ感覚」がヘタすると何日も脳細胞に張り付いて剥がれないのだ

イノセンス_b0057679_1010118.jpg人形を作る人を理解できないと同時に部屋に置く人も信じらない、彫刻を学んでいた事があるのだが粘土で人体を作る時、モデルに似れば似るほど嬉しさと共に微妙な嫌悪感が生まれる、つまり私のような普通の感覚の持ち主では人形制作は難しのである

人形をテーマにした作品は沢山あるがゲイジュツ的レベルが上がるほど、単純な可愛さを離脱し「猟奇的」になるか倒錯したエロティシズムになる

映画の中でも日本の茶くみ人形からフランス人形、中国のお祭りで使われる巨大な人形(名前が判らない)など色々な人形が出て来て興味が沸くのだが、登場人物全員が何らかの形でサイボーグ化されているので、唯一ホッとするのはバトーが飼っているバセットハウンドだけなのである
Commented by GuGuGammo at 2005-11-25 19:20 x
.。o○「イノセンス」というより
ナンセンスだったりして。。
もしくは「猪センス」 ~('O')~
Commented by PUSH-PULL at 2005-11-26 09:00
画像は一見に値します、2回見ても全然飽きませんでした、マニアやCGを勉強する人には堪らないアニメだと思う
by PUSH-PULL | 2005-11-22 10:29 | アート・デザイン | Trackback | Comments(2)

珍しく我が家のマイマイが甘えに来た、正式名は「シャー・アズナブール・マイマイ」と申します


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