三島由紀夫をしてデカダンスの聖書と呼ばれた本に、J.K. ユイスマンスの「さかしま」というかなり耽美的な小説がある、それを私が大好きな作家の澁澤龍彦が訳していた、貴族の青年が臭いと植物に懲り家中を改装して生活する話で、小宇宙を作り上げていく主人公フロルッサス・デ・ゼッサント・・・
さかしまとは反現実に繋がっていく、芸術の世界でもデュシャンの便器とか変わった作品があるのだが発表されたときは作品にパワーがあるだけに物議を醸し出す、しかし最近はアートの世界ではとんとそんな事件がない
時々現実世界でもワザと斜めに家を造ったりするデザイナーが存在するのだが、日常生活の町で見かけると思わず???と相成る
TOTOの看板はちゃんと上にお店の名前が入っているので作為として見た、しかしメーカーから提供された看板をよくぞ逆さに取り付けたモノである、よほどオモロイお店の人かそれとも東陶機器株式会社と代理店契約でトラブルがあったのか知らないが凄い看板である、昔米国の有名ロックバンドのTOTOがツアーでやって来たとき、どのホテルでも会場でも自分たちの名前が便器に入っていてビックリしたそうである
もう一つは近くの小さな中華料理店の壁にある、中華のことは良く知らないが、福が逆さで食ふなのかと思ったのだがそれでは日本語のおちゃらけになるので、きっと有り難い意味があると思うのだが調べても判らなかった、福を逆さにするとなんだか験が悪いような気がするのだが
ちょっと文字をひっくり返すだけで、色々と考えて仕舞うところがなかなかである
いっときちっぽけな我が脳を活性化すべく新聞を逆さに持って読んだり、1ヶ月間左手で食事したり、文章を逆さ読みしたり、裏文字を書いたりと色々やってみた結果が今の私で、少々人より器用になりはしたがこんなものである
平面デザインで最初に習う、安定と不安定から生まれる動きに繋がっていくのかも知れません
逆さ福が描かれたのがありました。ハッピータイガーとよんでいました。
要するに、弾除けのつもりでしょう。
日本で言う「五円」と「御縁」のようなものでしょうか。