最初で最後の、黒澤明+原節子=微妙

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「わが青春に悔なし」を見てきました
黒澤明が娯楽ではなく社会派の映画を作っていたとは、珍しく彼の作品としてはヒットしなかったらしい、上映されたのは戦後間なしの1946年と言うから古い、まだレッドパージが始まる前だから製作出来たのかも知れない

映画は京大の滝川事件とゾルゲ事件をたたき台に作られ結構過激なお話しである、第二次世界大戦へと突き進む時代に、京大生時代から社会人になっても極秘に反戦活動する藤田進演じる男の話である、その男に惚れてしまうのが原節子

彼の方は獄中死、彼女は頑なに尋問にも耐え彼の意志を受け継いで生きていくすざましいストーリー、残念なことにシナリオの方がもう一つで映画としての出来映えが・・・、黒澤監督もこの映画でシナリオの大切さを知り、この後はいつも何人ものシナリオ作家を集め映画製作にかかったとか

クレジットを見て不思議だったのは監督の名前がない、タイトルの最後に演出・黒澤明の名が、後で浅野潜さんに聞いたらこの時代は全部演出という肩書きだったとか、知りませんでした

固い映画にもかかわらず、原節子を筆頭に彼を藤田進、原節子の京大教授の父が大河内傳次郎という豪華版、他にも杉村春子に志村喬と沢山でているのですが皆さん若いのであります

傳次郎というと丹下作善を思い出すぐらい時代劇のイメージが強いのでありますが、大学教授でビックリ、口を動かさずに「およよ」としゃべる様は少しも変わっておりません

浅野潜さんも言ってましたが、黒澤監督はどうも女性を撮るのが下手、本人も判っていたのか恋愛映画を撮っておりません、そう言えば三船敏郎を筆頭に活劇映画が圧倒的に多い、名女優の原節子も黒澤映画もこれ一本だけで、後は小津映画ばっかり

なかなか「わが青春に悔い無し」って越え高らかに言いづらい私もそうだったが、昔の映画ってやたら煙草を吸いますな
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by push-pull | 2012-10-20 08:44 | カルチャー | Trackback | Comments(0)

珍しく我が家のマイマイが甘えに来た、正式名は「シャー・アズナブール・マイマイ」と申します


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