名無し橋を渡って淀川の水鳥を楽しんだ後の帰り道、なんだかきな臭い臭いが堤防沿いに漂ってきた、橋を渡った向こう側がなんだか騒々しい、そう言えば鴨を撮影していたとき遠くの方でサイレンが聞こえていたのを思い出した
阪神淀川駅の駐輪場にオレンジつなぎのおっチャンが検証中、道の先には消防自動車に救急車にパトカーに音もなく屋根の真っ赤なランプが廻っていた
数十分前には何事もなかった駐輪場のバイクに放火があったようで、真っ黒な固まりが残っていた
平日の午後こんな開けっぴろげな場所でバイクに火が点けられたとは信じがたいことで、放火とは誰もいない場所の深夜だとばかり思っていたのだが・・・
子供の頃は年中サイレンが鳴っていたような気がする、火事などというモノは日常茶飯事だったのだが、生活で火を使うことが激減したおかげで火事も激減した、今や調理ですら火を使わず電磁という理屈のよく分からない魔法で煮物でも炒め物で出来るわけで、火鉢などという代物は練炭・豆炭とともに骨董品となりつつある
真冬になってもとんと(たきび)などはもう夢、とんとの中に石を放り込み熱々になった頃に取り出し新聞紙にくるみカイロよろしくポケットに入れて小学校まで走っていったのは幻か
今時町中でたき火をしようモノなら間違いなく数分で消防自動車が飛んでくるに違いない、おかげでサンマを焼くのも最高の調理法の七輪に炭火と言うのも諦めたぐらいなのだから
橋は今は水の無くなった淀川の運河にかかっている、直ぐ横に阪神本線と阪神高速神戸線が走っている、川が埋められて10年以上経つが淀川沿いのバイパス道路プランも工事が止まったままである
橋の上からの眺めも水がないと憐れなモノで、昔この川で瓶を沈め小魚を捕ったことが嘘みたいである