「人情紙風船」を観る、私より古い映画なのだ

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<浅野潜さんと映画を楽しむ会>
月に一度のシネ・ヌーヴォ、今月はなんと私が生まれるずっと前に作られた映画「人情紙風船」、1937年制作というから凄い、天才と言われた山中貞雄監督はこの映画の試写の後徴兵で中国へ渡り現地で病死したとか、まだ28歳という若さで26本の映画を残しこの世を去った

有名なところでは大河内伝次郎主演の「丹下佐膳余話」や「大菩薩峠」、人情紙風船と同じ前進座の俳優を使った「河内山宗俊」などがあるが大半の作品は残されていない、日本は美術骨董は別にしてその他の文化に対し資料として保存するという感覚が昔も今もない、おかげで古い映画などは個人の収集家から出てくることも多いとか、映画に関しては東京近代美術館のフィルムセンターが一番多く保存しているとか

さて映画の方だがなかなか見応えのある出来映え、古い映画のあら探しばっかりしている私は映画の後の飲み会で顰蹙もの、みんなに「そんな映画の見方したら、面白ないやろ」と言われる始末

だいぶ前から映画を始め小説やテレビドラマのフィクションに素直に浸れなくなってしまった、これは若いときからの習性でいかんとも仕方がないのだが、でも映画は大好きなのでアルコホルを注入し少し気楽な感じで見ることにしているのだ

b0057679_853166.jpg下町長屋の人間模様を淡々と描いた時代劇、切った張ったの活劇もなくドラマティックな幕切れもない、歌舞伎の「髪結新三」が叩き台になったお話しなのだが、新三が強請る白木屋騒動は実際にあった話らしく犯人が美人だったので江戸中で評判に、大岡越前が裁いた唯一の事件として残されている

歌舞伎のお話しと違って映画の方は落ちぶれた浪人に内職を続ける妻、長屋のそれぞれ癖のある住人と大家・・・映画そのものが遁世的で時代劇としては珍しい、作られてから72年も経過しているに現代劇を見ているような不思議な出来映えで、これが天才山中貞雄と言われるゆえんなのかもしれない

エンディングで内職で作っていた紙風船が一つオープニングと同じ溝を流れていくシーンが非常に印象的でもある、ネットで調べていたら「日本映画史上、最高の名作と言われる、最高に“サビシイ”映画」が見つかった、う〜ん

今月の映画会、解説の浅野潜さんがダブルブッキングで帰阪が間に合わず、代わりにシネヌーヴォの景山さんが浅野さんから送られてきた手紙を読むというおまけ付き、後で手紙を見たら仕事柄ちゃんと原稿用紙に書かれてありました、私と言えばずっとPCのお世話になりっぱなしで、原稿用紙というものを長い間見たことも使ったこともないのに気づきました

※今日の写真はネットより無断拝借

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『もさくとまいまい』猫は寝ているときに時たま前足で顔をムギュと掴む、さぞかし首の筋に良さそうに思える動き、そっとカメラを取りに行き、撮そうと思ったとたん気づかれてしまった「おとったん なにしてんの?」
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Commented by e-leitz-yasu at 2009-09-19 20:07
戯れに、待ち合わせに遅れた友達を『人情紙風船』と言っていじめたり
しましたが、出所はこの映画だったのですね。

この舞々は、寝起きの彼女のようでドキッとしますね。
Commented by GuGuGammo at 2009-09-19 22:07 x
.。o○山中貞雄監督ですよね?
某マンガ週刊誌の某連載にも登場しましたね。\(^o^)/
Commented by GuGuGammo at 2009-09-19 22:09 x
中島貞夫監督は---------->
「狂った野獣」で有名ですけど。
~('O')~
ロマンポルノが懐かしい!
Commented by PUSH-PULL at 2009-09-20 09:05
Ganmmoさん、ご指摘感謝、修正しました
昔からいつも頭の中で山中と中島がごっちゃになっており、よく間違えることがありましがたこんなところでやってしまうとは情けない
中島さんの方は何度か撮影所で見かけたことがありました
by PUSH-PULL | 2009-09-19 08:59 | 写真 | Comments(4)

公園ののらら、仲良く並んでおります


by PUSH-PULL